アパレル業界やアパレルメーカー、アパレルバイヤーなど「アパレル」という言葉は我々の生活に当然のように存在しています。
特に、アパレル業界へ就職したい!と考えている方からすれば「アパレルなんて当然の言葉」と思われるかもしれませんが、そもそもアパレルとはどういった意味があるのかご存知でしょうか。「アパレルとは~~のことである」と説明できる方はなかなかいないのではないでしょうか。
そこで今回は、アパレルについて解説します。
アパレルとは

そもそもアパレルとはどんな意味合いがあるのでしょうか。
衣服。特に、既製服。
Oxford Language
Oxford Languageによるとアパレルとは「衣類」のことであると定義されています。他のアパレルメーカーをはじめとする「アパレル」を主に取り扱っている企業も同じように定義しています。
ファッションとは違う?
「アパレル」とよく似た言葉に「ファッション」があります。
例えば、
- ファッショントレンド
- ファッション集
など、アパレルと同じような意味合いで使われる「ファッション」ですが「アパレル」とは若干意味合いが違います。大きく違うことはありませんが、下記のように使い分けることが可能です。
- アパレル:限定的に「衣類」のことを指す
- ファッション:ライフスタイルや流行など広い意味を指す
それぞれの言葉には起源があり、しっかりと使い分けがされています。
アパレルについてもっと知ろう

さて、アパレルとファッションの違いがわかったところでアパレルについてもっと知っていきましょう。
「アパレル」には色々な産業があり、色々な業界が存在しています。専門用語もたくさんありますし奥が深い世界です。それぞれ解説していきます。
アパレル産業
まずは、アパレル産業です。
アパレル産業は世界産業分類基準(GICS)では、「耐久消費財・アパレル」という区分になります。
衣類の製造業・流通業全般のことを「アパレル産業」と言い、衣類の企画から製造・卸売まで一貫して行う企業のことを「アパレルメーカー」といいます。本来アパレル産業はアパレルメーカーが繊維業から素材を仕入れ既製服を製造し、流通業へ製品を提供し、小売業が消費者に製品を販売するという流れでした。
しかし、現在はアパレルメーカーをはじめとした様々な業者が既製服ビジネスに参入してきており、「アパレル産業」の概念が大きく変わりつつあります。
アパレルに関する専門用語
アパレルに関する専門用語には以下のようなものがあります。
- MD(マーチャンダイジング・マーチャンダイザー)
- VMD(ビジュアルマーチャンダイジング・ビジュアルマーチャンダイザー)
- バイヤー
- DB(ディストリビューター)
- デザイナー
- パタンナー
- プレス
- ピッキング
アパレル業界へ就職したい方やアパレルに興味がある方なら全てわかって当然レベルの専門用語です。
アパレルの仕事
アパレルに関する仕事は数多く存在します。
求人サイトを見てみると「アパレル」に関する仕事はたくさん掲載されていますし、その仕事内容は多岐に渡ります。一般的にアパレルの仕事といえば販売員やバイヤーを想像しますが、他にもたくさん存在しています。
1.販売員
アパレルの仕事と聞いて真っ先に思い浮かぶであろう販売員。
店頭に立ち接客をしたり品出しをしたりとせかせか働くイメージが強いのではないでしょうか。ディスプレイの着せ替えやコーディネートの提案など仕事の内容は多岐に渡っています。普段からお客様にアパレルの知識やノウハウを提供できるように雑誌を読み込んだりSNSでトレンド情報を収集したりする必要があり、「誰でも簡単に!」といった仕事ではありません。
ただ、アパレルのことが好きだという人は天職だと感じることが多いといいます。
2.店長
アパレルに限った話ではありませんが、「アパレル店長」という仕事もあります。
アパレルのことを主に取り扱うのではなく、店の総合責任者となり運営全般を任されます。そのため、
- 売上管理
- 目標管理
- 販売スタッフの育成
- 店長会議(MTG)
- ブランド方針の落とし込みやマーケティング
などを任されることとなり、アパレルのことについて直接的に触れる機会はあまりありません。リーダーシップスキルが磨かれる仕事ですが、時にはプレーヤーとなり店頭で販売員として職務を全うすることもあります。
3.デザイナー
デザイナーは洋服のデザインをする仕事です。
それぞれのブランドが打ち出しているテーマを元に落とし込み、色や素材・シルエットといった細かいディテールまで作りこむ必要があります。デザイン画ができればそれをのちにご紹介する「パタンナー」が型紙を作成しサンプルとして完成まで持っていくのです。もちろん、独自のセンスなどが必要になりデザインの美しさも要求されるため誰でもアパレルデザイナーになれるわけではありません。
最近では、デザイン専門学校などが出てきており誰もがアパレルデザイナーになれるチャンスが転がっています。
4.パタンナー
パタンナーは、デザイナーが作成したデザイン画を元にして服の設計図である「パターン(型紙)」を作成する仕事です。
紙に描かれているデザイン画を立体化し、寸法の確認をしつつ実際に着用できるように形にしていく必要があります。忠実にパターンを投影する技術が必要とされるため、寸分狂わないサイズ調整をすることができる人が重宝される業界です。同じデザイン画を元にしていてもパタンナーによって仕上がりがバラバラになることが多く、全員が同じような仕上がりを持ってくることができない仕事でもあります。
職人気質の方には向いている仕事です。
5.バイヤー
バイヤーは、メーカーや問屋から商品を買い付ける仕事です。
百貨店やセレクトショップに所属することが多く、販売実績やトレンド予測のスキルが必要とされる仕事になります。また、ショップコンセプトにあっているかどうかを判断する必要もあるため、どちらかというとアパレルを熟知している人が担当すべき仕事ともいえます。日本だけでなく海外へ足を運ぶことも多くあり、トレンド予測が外れると全く商品が売れないということも頻繁にあるため、ストレスのかかる仕事でもあります。
世界中に飛び立つ必要があるので語学力やコミュニケーション能力も必要とされます。

6. マーチャンダイザー(MD)
マーチャンダイザー(MD)は、ブランドの方向性を決定し消費者の手元に渡るまでの流れを監修する仕事です。
一般的には「プロデューサー」のような役割を果たしており、アパレルブランドのイメージや存在価値を大きく左右する仕事になります。調査や企画だけでなく、生産や販売にも携わることが必要とされており、アパレルが誕生してから消費者の手元にわたるまでの全てに関わることができる仕事です。当然、マーチャンダイザー(MD)としての仕事には精度が求められますのでアパレルに関する仕事歴が長く、実績がある人がマーチャンダイザー(MD)になることがおすすめされちます。
業務内容が非常に幅広く、色々な職種の人との関わりが必要となります。
まとめ

今回は、アパレルについて解説しました。
普段、何気なく使っている「アパレル」という言葉ですが、歴史や起源があり多くの意味を持っています。また「ファッション」と混同されがちですが、明確に違いがあることも覚えておきましょう。
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