アパレルショップの店員はアルバイトであってもお客様のお手本にならなければなりません。いわゆる「マネキン」としての役目を果たす必要がありますが、しばしば自腹購入の噂を耳にする方も多いでしょう。自社ブランドの商品を自腹で購入し、それを着用しながら接客を行うとなれば収入が減ってしまうかもしれません。
今回は、アパレルバイトは本当に服を買わされるのか解説します。
自腹購入は今だに存在している風潮

実は、アパレルバイトの自腹購入はいまだに存在している風潮です。2021年8月21日、こんなツイートがツイッタートレンドになっていました。
こちらはアパレル店員さんがわずか7時間15分で会社を辞めてしまったというお話です。辞めるに至った原因は「アパレルの自腹購入」。アパレル店員として働くためには自社ブランドのアパレルを数点購入しなければならないのです。
こういったアパレルの自腹購入の風潮はいまだに存在しています。
自腹購入をする必要はあるのか
例えば会社から「うちで働くなら自分で何点か自社ブランドを買って着用してね」と言われたらどうすればいいのでしょうか。
結論ですが、自腹購入の必要はありません。WWDで公開されている『「7時間15分で会社を辞めた話」が話題 販売員は店頭で着る服を自腹で購入しなければいけないのか』では自腹購入が当たり前だと思っている人は疑問視してほしいと記載されています。権力が強くなりがちな店舗側が弱いアパレルバイトにアパレルの購入を促すのは悪質な行為であり、決してそれにし確う必要はありません。
ただ、「いえ、自分が着たい服を着ます」と言い店舗内で居心地が悪くなる可能性もゼロではありません。
ノルマ達成のために自腹購入をするケースも
接客のためにアパレルの購入を促されるケースもあれば、ノルマ達成のために自腹購入をするケースもあります。
アパレルショップでは毎月予算が決められており、そのノルマを達成できないと店舗が課せられてしまいます。そのため、アパレルバイトであったとしてもノルマ達成のために自腹購入をしなければならないケースもいまだに存在しています。社割がありいくらか安く購入できるといえど、わざわざ勤務先のために自腹でアパレルを購入しなければならないことに疑問を抱く人は多くいます。
もし自腹購入するのであれば
もし、店舗から勧められたわけではなく自分から自腹購入をする際には以下のことに注意しましょう。
- シーズンオフのアパレルは着用できない可能性がある
- 社割が効くため安くなるが予算を決めておく必要がある
- 現金支払いか給料から天引きか事前に決めておく必要がある
自腹購入だと社割があるため比較的安価で新しいアパレルを購入することができます。しかし、だからといって予算を決めずに買いすぎてしまうのはNG。
そもそもなぜ自腹購入の風潮があるのか

普通に考えて「アルバイトが勤務先の商品を購入しなければならない」のはおかしな話です。
コンビニアルバイトが売れ残った商品を全て購入しなければならないとなると世間からバッシングを受けるでしょう。なぜアパレルバイトだけ自腹購入の風潮があるのでしょうか。
1.着用販売を行う必要があるから
お客様に向けて自分が着ているアパレルを販売する「着用販売」を行う必要があります。
マネキンに着せて店頭販売するケースもありますが、アパレルショップの店員さんが実際に来て接客をしているという宣伝効果は抜群です。そのため、アパレルバイトであっても店員と共通してアパレルをいくつか自腹購入しなければなりません。もし、ブランドが大好きでアルバイトを辞めたくないという方は以下のリスクヘッジをしておきましょう。
- 社販の割引率を調べておく
- 自腹で購入したくなるようなブランドで働く
- 価格帯が安いブランドで働く
割引率が悪く特に思い入れのないブランドで働くのはNGです。
2.売り上げがないとイメージが悪いから
一日の売り上げが全くなく、店長やエリアマネージャーに「今日は一着も売れませんでした…。」と報告することを避けるために自腹購入をするケースもあります。
いわゆる『自爆営業』と言われるものです。やや高めのブランドや全くお客さんが来ないような百貨店だと売り上げが全くない日があってもおかしくはありません。ただ、その状態で店長やエリアマネージャーに報告をすると叱られてしまうという不安から自腹購入をして少しでも売り上げがあったように偽造するケースが今だに残っています。もちろん、多くの店舗ではそういったことはありません。
3.予算未達を避ける必要があるから
先ほどの売り上げに関係する話ですが、アパレルショップには毎月予算が課されます。
予算を月間でクリアできなければ予算未達としてショップ全体の評価が下がってしまいます。また、叱られるかもしれないという不安から予算未達分を自腹購入する人が少なくありません。「誰が買ったか」よりも「予算達成できたか」を重視するブランドに多く見られる傾向です。ただ、予算到達すれば報酬金が出るところも多く、自腹購入した分を取り返すことができるかもしれません。
もしアパレルバイトで服を買わされそうになったら?

WWDで公開されている『「7時間15分で会社を辞めた話」が話題 販売員は店頭で着る服を自腹で購入しなければいけないのか』でもあった通り、自腹購入の必要はありません。
就業規則にそんなルールはありませんし、そもそも無理やり購入させるのは悪質な行為として批判されています。また、店舗側に権力があったとしてもアパレルバイトの立場でそれに従う必要はありません。基本的にアパレルバイトに服を買わせるような企業はブラック企業と考えればいいでしょう。
1.辞める
もしアパレルバイトの立場で服を買わされそうになったら、思い切って辞めましょう。
その店舗ではアパレルバイトが自腹購入するのが普通だという風潮があるのかもしれません。モラル的には完全にアウトですが、アパレルバイトが好き好んで自腹購入している可能性も拭えません。「ここは私には合わないな」と感じたら素直にアルバイトを辞めたほうがいいでしょう。金銭的にカツカツになる前に辞めてしまうことをおすすめします。
2.自腹購入がないアパレルバイトを探す
自腹購入があるアパレルバイトの方が珍しいため、自腹購入の必要がないアパレルバイトを探してください。
例えば、以下のようなアパレルバイトだと自腹購入の必要はありません。
- 私服出勤が可能である
- 自爆営業をする必要がない
- アルバイト以外の雇用形態である(派遣社員など)
多くのアパレルバイトで自腹購入を勧められることはありませんが、中には自腹購入を必須としているアパレルバイトもありますので注意が必要です。
まとめ

基本的にアパレルバイトが服を買わされることはありません。ただ、風潮としていまだに残っている部分がありますのでアルバイトを始める前にチェックをしておきましょう。
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