おしゃれで華やかなイメージから「就職したい!」と考える就活生が多いアパレル業界。
しかし、アパレル業界といってもどこでも就職していいというわけではありません。他の業界にも言えることですが企業として業績が伸びているかどうかは非常に重要なポイントになります。
そこで今回は、アパレル業界企業の売り上げランキングをご紹介します。
【最新版】アパレル業界売り上げランキングTOP5!

まずは、アパレル業界売り上げランキングを見ていきましょう。
1位:ファーストリテイリング
(JPY) | 2022年8月 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | 5360.16億 | 23.25% |
純利益 | 354.99億 | 91.93% |
希薄化後 EPS | 346.89 | 91.85% |
純利益率 | 6.62% | 55.76% |
営業利益 | 368.5億 | 177.55% |
現金の純増減額 | -106.2億 | 1940.55% |
手元現金 | – | – |
収入原価 | 2571.17億 | 16.98% |
ファーストリテイリングは、
- UNIQLO
- GU
など誰もが知っているアパレルブランドを展開している企業になります。ファーストリテイリングは外資系企業に買収されるかもしれないというデマが世界中で拡散されるほど勢いのある企業で、最近では素材を重視したファッションアイテムも販売しています。また、UNIQLOやGUのターゲット層である「若年層」に向けてアプリ会員限定イベントなども積極的に展開しており、戦略面ではダントツで秀逸だと言えるでしょう。
2位:しまむら
(JPY) | 2022年8月 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | 1523.95億 | 7.06% |
純利益 | 104.08億 | 21.7% |
希薄化後 EPS | 283.2 | 21.7% |
純利益率 | 6.83% | 13.64% |
営業利益 | 143.05億 | 16.07% |
現金の純増減額 | -48.21億 | 110.8% |
手元現金 | – | – |
収入原価 | 999.45億 | 7.23% |
しまむらは、その企業名通り「ファッションセンターしまむら」を展開している企業です。
数年前までは「年齢層高めの方向け」というイメージがありましたが、最近ではSNSの影響もあり「トレンドフル・おしゃれ」というイメージがついてきています。さらに、コラボ商品も多数販売しておりどんどん若年層を取り込むことに成功しています。
さらに、
- 「しまパト」という造語が生まれる(しまむらパトロールの略)
- ZOZOTOWNへの出店
など、ネット業界に進出してきているしまむらは売上高をアパレル業界2位につけています。
3位:アダストリア
(JPY) | 2022年8月 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | 545.72億 | 18.06% |
純利益 | 5.8億 | 224.02% |
希薄化後 EPS | 12.79 | 222.98% |
純利益率 | 1.06% | 171.79% |
営業利益 | 9.97億 | >9999.99% |
現金の純増減額 | – | – |
手元現金 | – | – |
収入原価 | 250.94億 | 14.96% |
アダストリアという企業名だけ聞いても「なんの企業?」となってしまう人は多いと思いますが、以下のようなアパレルブランドを展開しています。
- グローバルワーク
- ニコアンド
特に若年層に人気のアパレルブランドを展開しており、積極的に接客を取り入れているアパレル業界古くからの慣習に忠実な企業と言えます。また、接客に力を入れているだけあり「態度が悪かった」などとクレームが入ることがほとんどない企業でもあるため、顧客満足度は高いと言えるでしょう。将来的にアパレル業界で長続きする企業かもしれません。
4位:ワコールHD
(JPY) | 2022年6月 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | 490.27億 | 15.89% |
純利益 | 24.04億 | 409.32% |
希薄化後 EPS | 39.01 | 418.06% |
純利益率 | 4.9% | 337.5% |
営業利益 | 24.69億 | 27.4% |
現金の純増減額 | -17.46億 | 92.8% |
手元現金 | – | – |
収入原価 | 203.46億 | 15.64% |
ワコールHDは、オリジナルブランドと海外ブランドの2つを取り扱っているマルチ企業です。
例えば、
- 23区
- 組曲
などのいわゆる「百貨店ブランド」からany FAMなどのトータルスタイリングを提供してくれるブランドまで数多く展開しているのが特徴。また、海外ブランドに関しては以下のようなブランドを扱っています。
- カルバンクラインプラチナム
- トッカ
5位:ワールド
(JPY) | 2022年6月 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | 505.32億 | 24.67% |
純利益 | 28.24億 | 96.79% |
希薄化後 EPS | 79.64 | 105.63% |
純利益率 | 5.59% | 57.91% |
営業利益 | 48.88億 | 165.8% |
現金の純増減額 | -12.53億 | 49.72% |
手元現金 | – | – |
収入原価 | 193.52億 | 22% |
ワールドは、
- OZOC
- アクアガール
- オペークドットクリップ
など、近年ショッピングモールへの出店を行なっているアパレルブランドを取り扱っています。ファストファッションほどの格安ぶりではないのですが、セール時にはガンッと価格を下げて一気に集客をする戦略を採用しています。安っぽくならず、かといってお高くとまりすぎないブランドといえば「ワールド」です。
アパレル業界の実態・業績について

さて、以上が2022年6月に公開されたアパレル業界企業の財務情報です。
これを見て「じゃあ、ファーストリテイリングに入社すれば安泰だ!」となるのは早とちりかもしれません。実際、他の業界で常にトップを走り続けてきた企業が一気に業績悪化することも少なくありませんから、安易にランキングだけを見て就活の軸を変えてしまうのはNG。
では最低限知っておいていただきたい実態と業績について解説します。
アパレル業界は伸びている企業と荒んでいる企業の差が激しい
アパレル業界では、伸びている企業と荒んでいる企業の差が激しいのが現状です。
例えばこちらのデータを見てください。

こちらは2015年から2020年にかけてのアパレル業界市場推移です。見ていただくとわかりますが、徐々に右肩下がりに市場が収縮しており、決して「絶好調!」と言える市場ではありません。
一方で、こちらを見てください。

こちらは2015年から2021年にかけての「UNIQLO」における店舗数推移です。市場推移ではありませんが見ていただきたい点として2019年8月期の「海外売上高が国内を上回る」と記載されている点です。日本国内の需要は下がりつつありますが、海外の需要は上がっているということがデータで読み解くことができます。
海外展開とネット展開に取り組んでいる企業がおすすめ
もし現時点で「どのアパレル業界企業にしよう」と悩んでいる方は、
- 海外展開
- ネット展開
に取り組んでいる企業がおすすめです。
コロナウイルスの影響もあり実店舗だけで展開していた企業はことごとく業績悪化に追い込まれています。これを機にネット展開を始めた企業も多くいました。さらに、国内需要だけでは業績を拡大できないということで海外展開に取り組んでいる企業も少なくありません。
これからのアパレル業界を支える「海外展開」と「ネット展開」に取り組んでいる企業への就職をおすすめします。
まとめ

今回は、アパレル業界企業の売り上げランキングをご紹介しました。
やはりUNIQLOやGUを展開しているファーストリテイリングが1位に輝きました。売上高から見ても圧倒的に1位であり、その下にしまむらやアダストリアが続きます。もちろん、売上高だけで就職先を決めるのは危険ですが将来性という意味では比較検討する価値があります。
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